雨が降る日が続いていますね。
しとしとと、屋根を叩く音。
窓ガラスを伝って流れる、細い水の筋。
傘を差して歩く人たちの、少し急いだ足音。
梅雨の季節が、やってきました。
朝起きて、窓を開けるたび
「また雨か」と思う方も、
少なくないかもしれません。
洗濯物が乾かない。
湿気で髪がまとまらない。
外に出るのが、なんとなく億劫になる。
そういう日が続くと、
気持ちまで少し重たくなることがあります。
でも、雨の音をじっくりと聞いていると、
それはそれで、不思議と落ち着くものです。
強く降る雨は、どこか力強くて。
やさしく降る雨は、静かで穏やかで。
雨にも、その日その日で
表情があるのだなと気づきます。
むかしの人は、梅雨のこの時期を
「入梅」と呼んで、
農作物にとって大切な雨として
重んじていたそうです。
私たちの目には「じめじめした季節」でも、
大地にとっては、恵みの雨。
見る角度が変わると、
同じものがまったく違って見える。
そんなことを、
雨粒に教えてもらえる気がします。
この時期ならではの楽しみも、
探してみると、見つかるものです。
雨の日にだけ飲みたくなる、温かいお茶。
外の音を聞きながら読む、お気に入りの本。
雨上がりに漂う、あの独特の匂い。
紫陽花が、雨の中でいきいきと咲いている様子も、
この季節ならではの贈り物ですね。
雨の日は、どこかじっくりと
物事に向き合える気がします。
晴れた日には外へ出たくなるけれど、
雨の日には、自然と内側へと
気持ちが向いていく。
普段は気にも留めていなかったことが、
ふと、心に浮かんでくることもあります。
雨が、そっと立ち止まらせてくれるのかもしれません。
急いで晴れを望まなくても、
この雨の中にも、
小さな豊かさが隠れています。
梅雨の音に、そっと耳を澄ませてみてください。
皆さまの六月が、
雨音とともに、穏やかに流れることを祈って。
